コレクション: Richard Stávek / リチャード・スタベック

1995年から2005年までは試作としての少量生産。2006年より少しずつ量を増やし、2008年からオーガニックな ワイン生産者として正式にワイン販売を始めました(認証 BIOKONT CZ)。彼の畑にはブドウだけではなく、あん ずやプルーンなどが植樹され、山羊、馬を飼い、蜂の 繁殖とハチミツの生産等も行っています。 畑全体で新しいブドウ樹を増やしています。ブドウ樹同 士の競争を促し、地中深くに根が伸びていくことを狙っ てのことですが、それは、昨今の暖かい気候と降水量 の減少を考えてみても正しい決断だと彼は考えていま す。現在最も密度が高いところで1haあたり“14000本” です。畑の大方は草に覆われていますが、30%程度は 鋤いて掘り起しをしています。冬には寒さを防ぐためにブ ドウ樹の周りに藁を敷きます。ビオディナミの手法は尊重しますが、一部の採用に留めているそうです。

手摘みで収穫したブドウを足でつぶします。除梗はしません。自発的な醗酵を促し、房ごとマセレーションをします。バトナージュをしながら10カ月の熟成。醸造中及びすべての工程で亜硫酸は加えません。一切のろ過などはせずに瓶詰となります。仕上がったワインはとろみを感じるほどにリッチです。Richardはワインに対して幅広い知識を持っており、現代醸造もカバーしたうえで、オーガニックの栽培を尊重・選択し、チェコの伝統に回帰してフィールドブレンドのワインを作ります。私たちは、彼のワインを一口飲めば、Richardのワインに対する明瞭な志向性を理解することができます。現在12000本を生産していますが、どんなに多くても20000本程度の生産にとどめるのだそう。“ワインは仕事だけど、趣味。でないと、作りたいワインは作れないよ”と彼は笑いながら教えてくれました。