コレクション: ユルグ

2021年にユルグは最年少ワイナリーの一つとしてVDPに加盟したことからわかるよう に、ユルグはシュペートブルグンダー生産者の若手の代表格として広く認知されるよう になった。「ブルゴーニュに学ぶことは非常に多いけれども、ドイツのシュペートブルグンダーは独自のスタイルを築く必要があ る。」と話す彼は、ドイツのシュペートブルグンダーがもつ独自性とその将来に大きな期待を寄せる。

ユルグはフランス国境に接するファルツ州最南端の街シュワインゲンで1961年に創業した。当時この地で元詰めを行う生産者はいな く、フランスワインに魅せられていたオスカー・ユルグは、「甘口よりもドライ、量より質、フランスワインの持つエレガンスを体現 するワイン」という理念を掲げワインを造り始めた。ユルグの特徴は、全体のブドウ畑の60%をフランス国内に、残りの40%はドイツ 国内に所有していることだ。1871年にアルザスがドイツ領となった際、多くのフランスのワイン生産者はドイツ領で生活をしたくな かったため、土地をドイツ人に売って移住した。1918年にアルザスは再びフランス領となったが、ドイツ人には継続してワイン畑を所 有する権利があった。そのためユルグも両国にブドウ畑を所有している。

ユルグがドイツの他の生産者と大きく異なる点は、フランスがとても近いため、代々フランスのワイン造りを模範としており、今でも 多くのインスピレーションをフランスから受けていることだ。同時に、現当主のヨハネスはドイツのシュペートブルグンダーの独自性 に着目しており、フランスのワイン造りをただ真似ることはドイツワインの将来ではないと考えている。

ドイツでピノの栽培が盛んになったのはごく最近の話で、国内には収量が多くキャンディーのような香りが出やすいドイツのクローン が未だに多く植えられており、それがドイツのピノの味わいとして定着している。また、ドイツでバリックが導入されたのは主に90年 代であり、バリックの使い方をはじめ、高品質なシュペートブルグンダーを造り出す醸造に関するノウハウが国内であまり共有されて いない。ユルグは、今後ドイツ国内で情報交換が盛んになり、各土地の微気候を意識したワイン造りが広まることにより、今まで以上 のスピードで良いシュペートブルグンダーが生まれるようになると確信してる。

---輸入元資料より---